R1年度(2019)高柳研究奨励賞受賞
高柳先生のテレビの通信に関する研究と同じで、頼もしく効率的に視覚情報の処理やら分析やら通信は私の研究テーマである。これまでの私の主なテーマは画像およびビデオの品質を評価すること(Quality Assessment)の研究である。過去15年間、QAに関する世界の最も詳しい専門家の一人として私は認められように目指していた。貢献としては、人間の視覚システムが画像やビデオを見る際、処理したり認識したりする特徴と計算を調査し、その計算的な戦略のモデルを作り出し、マルチメディア処理のアプリケーションを改善するための実験、アルゴリズム、そしてその論文である。
本研究では、ライブビデオの画質を自動的に予測する次世代技術の研究開発が目的である。今日、ライブデジタルビデオは我々の生活の重要な部分を占めている。ほとんどすべての消費および製造部門に使われており、その例は、デジタル放送、自動検査・製造、交通安全モニタリング、車載用カメラ、そして遠隔ナビゲーションなど、枚挙にいとまがない。予測不能な環境で取得され信頼性の低いネットワークより送られたデータであっても、そこから高い画質のビデオを獲得できるとすれば、その技術は極めて画期的と言える。
そのため、以下を可能とするQA技術の研究開発を行う:(1)ライブビデオの画質を連続的に評価する(2)低画質化につながる因子を検出し警告する(3)ゆがみのタイプを同定し適切な修正作業を可能とする。核となる発想は、ライブビデオを、それ以前に記録しておいた知覚的な特徴イメージと称するオリジナルに替わる元画像と比較するところにある。新たな統計的手法や分類法および人間の視覚モデルを研究開発することによって、画質の正確な評価および画像のゆがみの正確な同定の両者を同時に可能とする。
本研究において発生する新たな発見および開発技術は、画質のレベルや劣化に左右されるビデオキャプチャーやモニタリングのインテリジェントシステムの今後の開発の礎となる。究極には、本研究は、ライブビデオに関連するすべてのシステムの安全性、信頼性および生産性の向上に資するものであり、その意味から広範囲に社会に寄与するものと考える。